この記事はWeb広告の利用を検討している方向けに、Web広告の基本を分かりやすく丁寧に解説しています。
そもそもWeb広告とは?
Web広告とは、「インターネットの媒体上に掲載される広告」のことです。
パソコンやタブレット・スマートフォンなど普及により、日本の広告はテレビやラジオ・雑誌・新聞といった従来のマス広告から、Web広告にシフトする企業が近年急激に増えています。
実際にWeb広告は全体の26.9%を占める規模にまで成長しています。(2018年時点)
2018年のインターネット広告媒体費は1兆4480億円に。モバイル+動画広告の伸びに注目 | ウェブ電通報
そんな人気のWeb広告ですが、
- Web広告ってどんな特徴や種類があるの?
- そもそもWeb広告って何から勉強したらいいの?
といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事はそんな疑問にお答えするために、
- Web広告のメリット・デメリット
- Web広告の種類
- Web広告運用で必要な用語
など、最初に覚えるべき基本の知識を丁寧に分かりやすくまとめました。
Web広告の3つのメリットとは?
Web広告は効果的に運用することができれば、メリットがたくさんある魅力的な広告です。
ここからはWeb広告のメリットを3つご紹介いたします。
効果測定がしやすい
Web広告は、広告の閲覧回数やクリック数・Web広告からの購入件数等のデータを確認することができるため、どれぐらいの効果があったかが容易に分かることが特徴的です。
後ほど詳しく説明しますが、web広告には「スピーディーに運用しないとすぐに悪化してしまうこともある」というデメリットがあります。
しかし運用結果のデータを元に分析・改善をきちんとすることが出来れば、費用対効果を大きく高めることも可能です。
Web広告を利用するにあたって大切なことは、データを元に常に分析・改善することです。
細かいターゲティングができる
ターゲティングとは簡単に言うと、「広告を届けたい人にだけ広告を届ける機能」のことです。
Web広告 | テレビCMや雑誌広告など |
---|---|
「20代女性のみ」「スマートフォンユーザーのみ」など、商品やサービスに合わせたターゲット層に対して届けることが可能。 | 不特定多数の方に届く。 |
Web広告は適切なターゲット層に対して広告配信が出来れば、不特定多数の人に配信する広告よりも効率的に広告費を使うことができます。
少ない予算で始めることができる
Web広告は、広告がクリックされてから初めて広告費が発生する課金方法や、一定数以上の閲覧回数で広告費が発生する課金方法などがあります。(一部例外あり)
多くのWeb広告は、クリックや閲覧といったユーザーからの反応があって初めて、数十円~数千円程度の少額の広告費が発生するため、少ない予算からスタートすることが出来ます。
また、仮に多くのユーザーから反応があった場合は広告費が多く発生してしまいますが、1日あたりの上限予算や特定の期間あたりの上限予算などを設定することもできますので、予想以上に料金が発生してしまうということがありません。
予算の上限を設定することが可能なため、費用のコントロールがしやすい!
それに対してテレビCMやラジオ広告などは、多くの人に認知してもらうことが出来るという点では魅力的ですが、宣伝の結果に関わらず初期段階から多額の広告費がかかってしまうことがあり、少々リスクが大きいです。
Web広告の3つのデメリットとは?
このようにWeb広告にはたくさんのメリットがありますが、実はこんなデメリットもあります。
人気の媒体がすぐに変化する
近年、FacebookやInstagram、YouTubeといった新しいサービスが次々と登場しており、それらの媒体に広告出稿ができるようになりました。
しかし、それらの媒体が流行しだしたのはつい数年前からの話です。
今後さらに予想もしないようなSNSが登場するかもしれませんし、逆にFacebookやInstagramなどもいつかは衰退していくかもしれません。
変化が速いWeb業界の中では、特定の媒体だけに頼りすぎるのではなく、常に周りにアンテナを張って、新たな媒体を開拓していく姿勢も必要になります。
スピーディーに運用しないとすぐに悪化してしまうことも
流行やニーズ・季節イベント等がめまぐるしく変化するWeb業界では、一度配信をスタートして結果を出せても、その後放置しているとすぐに広告に飽きられて効果が悪くなってしまうこともあります。
そうなった際には、急いで結果を分析し改善をしていく必要があります。
広告運用者の改善スピードが遅いと、スピード感のある競合に負けて広告が埋もれてしまう可能性が高くなります。
広告媒体のアップデートが頻繁に行われるため、常に新しい情報を追う必要がある
Web広告は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンや、FacebookやInstagramなどといったSNSなど、様々な媒体で配信をすることができます。
しかし、それぞれの媒体毎に効果的な運用方法は異なる上に、広告配信の機能も常日頃アップデートされていきます。
そのため、運用者は媒体理解を深め日々勉強していくために時間を割く必要があります。
Web広告にはどんな種類がある?
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンにて検索した際に、検索結果に表示される広告のことです。
リスティング広告は自然検索の結果と異なり、「広告」という文字が一緒に掲載されます。
非常に代表的な広告手法の1つです。
「こういう人がこのキーワードで検索したときに、こういう広告を表示したい」という設定をし、広告を配信します。
例えば、Web制作会社が自社のサービスを宣伝したいと思った場合、「web制作 代行 おすすめ 会社」といったキーワードで検索をしている人にピンポイントで広告を配信できます。
お悩みや欲しいサービスが明確な、購買関心度の高い層に対してピンポイントにアプローチできることが魅力の広告です。
最近は、特定のキーワードに対して広告配信をする方法だけではなく、自社のサービスや商品に関連のあるキーワードをaiが自動で判別し、関連のある広告文を自動生成して配信してくれるという方法も登場しています。
SNS広告
SNS広告は、Twitter・Facebook・InstagramなどといったSNS上の掲載面に配信する広告です。
SNS広告は、ユーザーのタイムライン上に広告を表示させられるという特徴を持っています。
先ほどのリスティング広告(検索広告)のように、何らかのお悩み解決方法や情報を探しているユーザーではなく、何気なくSNSを利用しているユーザー、つまり潜在層にアプローチすることができます。
例えばSNS内で記事の広告を配信することで、「私ってこんな悩みがあったんだ!」「こんな商品あるなんて知らなかった!」といった新たな気づきをユーザーに与えることができます。
リスティング広告だけではアプローチできないユーザー層に広告を配信し、顧客獲得を拡大したい場合などにもおすすめです。
さらにSNSには年齢や性別などの個人情報を登録している人も多いため、例えば「美容に関心を持っている30代の女性」といった非常に細かいターゲティングが出来る媒体が多いことも特徴の一つです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像や動画、テキスト広告のことです。
バナーで表示されることが多く、「バナー広告」と呼ばれることもあります。
ディスプレイ広告は、SNS広告と同じく、まだお悩みに気づいていない潜在層にアプローチして商品やサービスの認知拡大ができることが特徴です。
さらに、タイトルと広告文といった要素がテキストのみのリスティング広告に対して、画像や動画を使用できるため目にとまりやすいというメリットがあります。
ビジュアルで表現することで、商品やサービスの魅力をより具体的に伝えることが可能です。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、過去にWebサイトを訪問したことがあるユーザーに対して、動画・画像・テキストなどを表示させ、再訪問を促す広告です。
サイトに一度訪問し離脱したユーザーの中には、商品を欲しいと思えなくて離脱した人もいれば、「興味はあるけどまず比較検討をしてから買おう!」と考えてそのまま忘れてしまったといった人もおり、様々なモチベーションの人がいます。
つまり、一度離脱したとはいえども、商品やサービスへの購買意欲が非常に高い人も多いのです。
リターゲティング広告のイメージ
やはり一度は広告に興味を持って見に来てくれた人ということもあり、購買意欲が高い人が多いため、認知拡大などのために行うリスティング広告やSNS広告などとセットで取り入れたい広告です。
ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、メディアの中にあるコンテンツと広告を自然になじませることで、ユーザーにストレスを与えず情報を届けることができる広告です。
ネイティブ広告のイメージ
Web担当者Forum Impressさんの調査によると、「ネットに出てくる広告に対して不快になったことはありますか?」との設問に対し、75.1%が「ある」と回答しています。
さらに、不快に思った広告の商品・サービスに対する印象を聞いたところ、75.5%が「購入・利用したくないと思った」、24.5%「何も思わない」と回答したようです。
つまり、広告を配信する上で、広告だと思われず自然にサービスや商品をアピールすることが大切なのです。
そこで、メディアの関連記事一覧の中など、通常コンテンツの一部として、同じ見た目で表示される広告である「ネイティブ広告」が非常に効果的です。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、個人や企業などと提携し、商品やサービスについてWebサイト・ブログなどで紹介してもらい、そのリンクを経由して購入などの成果が発生した場合、提携者に対して成果報酬が発生する広告です。
アフィリエイト広告のイメージ
決められた成果に対してのみ報酬が発生する広告のため、成果につながらないユーザーの訪問に対して不要な費用が発生することがなく、高い費用対効果が期待できます。
また、提携者(メディア)が独自の記事やレビューなど多彩な訴求方法で掲載してくれるため、ユーザーに対してより深い情報を伝達でき、コンバージョン率が高くなることもあります。
純広告
純広告とは、サイト内で決められた枠を一定期間買い取り、テキストや画像・動画などで表示する広告です。
Yahoo!のトップページ右側にある広告掲載箇所なども、純広告として取り扱われています。
こちらの広告枠は「Yahoo! JAPAN ブランドパネルビジョン」という商品名で販売されており、1週間の掲載期間が約束されています。
このようにバナーを掲載する広告もあれば、記事や特設サイトの形式で一定期間掲載される広告など、純広告には様々な種類があります。
アドネットワーク
アドネットワークは、複数サイトの掲載面に広告を掲載する広告です。
アドネットワークのイメージ
さまざまな媒体への広告出稿を行うためには、それぞれの媒体との契約が必要になるほか、各媒体に合わせた形式で入稿しなければならずとても手間がかかります。
そこで、一括して一つのアドネットワーク業者に任せて様々なWebサイトに配信してもらうことで、業務を効率化できます。
例えばよく個人ブログなどのWebサイトに、広告のバナーが掲載されているかと思います。
これらの多くは広告主が直接ブログの運営者にお願いをして掲載をしてもらっているものではありません。
Webサイト運営者が広告枠をアドネットワークに提供し、アドネットワークに出稿した広告主の広告がそこに表示されるという仕組みになっています。
動画広告
YouTubeなどの動画サイトでなどで配信される動画広告のことです。
動画広告のイメージ
テキストや画像よりも伝えられる情報量が多く目を引きやすいため、効果の出やすい広告として多くの企業が取り組んでいます。
視覚的な情報で伝えることに長けているため、テキストだけでは伝えられないもの(人の話し方など)を伝えることもできます。
動画広告には、YouTubeといった動画コンテンツと同じ画面に表示される「インストリーム広告」や、ウェブサイト内のバナーの広告枠で配信される「インバナー広告」など様々な種類があります。
Web広告運用で抑えておきたい用語解説
広告が実際にWeb上に表示された回数です。「Imp」や「imps」と略されることもあります。
表示された広告や、広告記事内のURLリンクなどがクリックされることです。
Web広告の表示回数(impression)に対し、クリックされた割合のことです。
Web広告で、1クリックを獲得するのにかかる単価です。
費用(コスト)÷クリック数で算出出来ます。
純広告などの広告配信の指標としてよく使用されます。
Web上で獲得する最終的な目的・成果のことです。商品購入や資料請求、問い合わせ、会員登録など、広告主によってゴールは異なります。
Webサイトへ訪れたアクセスのうち、コンバージョンに至ったユーザーの割合を指します。
コンバージョン数÷クリック数で算出できます。
1回の商品購入や会員登録などのコンバージョンを達成するのにかかる費用を指します。
費用(コスト)÷コンバージョン数で算出できます。
広告経由で発生した売上を広告費用で割った数値のことで、広告の費用対効果を表します。
売上÷広告費で算出できます。
ROASが売上に対して出す指標に対し、ROIは原価などを差し引いた利益率を図る指標です。
利益(売上-コスト)÷広告費で算出できます。
SNSにおけるユーザーと運営側の繋がりを測る指標として用いられることが多い言葉なのですが明確な定義はなく、投稿に接触したユーザーの「いいね!」やシェア、コメントなどのアクションのことを指すことが多いです。
Web広告の効果を高めるためのポイント
広告と広告遷移先LP・記事に一貫性を持たせる
広告の質を上げてクリック率を高めることは必要不可欠ですが、それだけに目を向けすぎるのはNGです。
広告と遷移先の内容に一貫性がないと、遷移先にてユーザーに「求めている情報とは違った」と思われてしまい、離脱に繋がってしまいます。
広告から購入完了までの流れで、きちんとユーザーの興味・関心を高められるような構成づくりが大切です。
アプローチしたいユーザー心理に合わせて広告を変える
一般に商品やサービスに対するユーザーの関心は、下記の順番で高まっていくとされています。
- 潜在層
ニーズはあるが、解決するための行動はしていない。悩みに気づいていない。 - 準顕在層
ニーズがあり、解決するための行動をしているが、自社商品が検討段階に入っていない。 - 顕在層
自社のブランドや特定の商品名を知っていて購入を検討中。
※それぞれの呼び方や定義は諸説あります。
関心の低い潜在層に対していきなり自社商品やサービスのアピールをしても、そもそもニーズを感じていないため興味を持ってもらえない可能性が高いです。
まずは悩みやニーズに気づかせる広告を打ち出し、その商品やサービスを利用するメリットを感じてもらうことで獲得に繋がります。
逆に関心の高い顕在層・明確層はすでに購入意欲が高く、様々な商品・サービスを比較検討中のため、競合商品よりも優れた点や自社商品の特徴などをしっかりアピールする広告を打ち出すと効果的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はWeb広告に関する基本知識をまとめてみました。
Web広告のメリット・デメリットでもご紹介した通り、Web業界は、世の中の動きや流行、ニーズなどが日々めまぐるしく変化し続けています。
このような変化にも柔軟に対応できるよう、常にアンテナを張って情報収集を行うことが、Web広告運用には必要不可欠な要素になります。
Web広告は種類や聞きなれない用語も多く、最初は少し難しく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回は簡単な紹介程度になりましたが、各広告の詳しい内容は今後さらにご紹介していく予定なので、少しずつ理解を深めてWeb広告に興味を持っていただけますと幸いです。
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