Webライティング案件の発注に必要なのが、ライター向けのレギュレーション。
しかし、「Webライティングにレギュレーションって必要なの?」「レギュレーションの作り方を教えてほしい」そういった担当者の方も多いのではないでしょうか?
今回は、Webライティングのレギュレーションの作り方や事例を紹介します。
現役ディレクターの私は、実際にWebライティング案件を発注する側です。実際に運用しているレギュレーションを基に解説するので参考にしてください。
Webライター向けレギュレーションが必要な理由
Webライター向けレギュレーションが必要な理由は、記事の品質を担保するためです。
メディアでは複数人のライターさんに記事を書いてもらうため、上がってくる記事の質にはどうしてもバラつきがでます。レギュレーションとして執筆ルールを定めることで、ある程度品質を揃えることができるのです。
また、修正点を毎回口頭で伝えていては、お互いに工数が発生し続けてしまいます。工数を削減し、効率的に業務フローを回すためにもレギュレーションが必要です。
Webライティングのレギュレーション作り方【事例】
Webライティングのレギュレーションに必要な項目は、メディアやライターさんの業務範囲によって多少異なります。しかし、必ず記載しなければならない内容は、どのメディアにも共通していると考えて良いでしょう。
ここでは、レギュレーションに記載するべき、基本的な項目を紹介します。事例も掲載していますので、合わせて参考にしてください。
メディアの目的とターゲット層
メディアの目的・ターゲット層は、記事の方向性を決める重要な項目です。これを定めることで、記事をどういった流れで書けば良いのかが分かり、執筆後の大幅な修正をあらかじめ防ぐことができます。
【MOREWEBの目的・ターゲット層】
- 目的:コーディングやWordPress、メディア運営の外注依頼獲得
- ターゲット層:リソース不足で困っているWEB制作会社の担当者
構成作成の手順と方法
Webライティングの質は、構成段階で8割程度決まるといっても過言ではありません。構成作成の手順やリサーチ方法、使用ツールなどを明記しておくことで、構成案の品質を揃えることができます。
【MOREWEBの構成作成手順と方法】
ディレクターがお伝えします。
ラッコキーワード(https://related-keywords.com/)、Google検索結果のサジェスト・関連キーワードから抽出。
検索volは、キーワードプランナー(https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/)、ubersuggest(https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/)でリサーチ。
ラッコツールズ(https://rakko.tools/tools/3/)で抽出。Googleスプレッドシートに貼り付けて、共有URLを添付。
競合のメタディスクリプションやYahoo知恵袋(https://chiebukuro.yahoo.co.jp/)などでリサーチ。
メディアのターゲット層を基に、キーワードやニーズから作成。
メディアの目的を基に、ニーズやペルソナから作成。
競合上位10ページやサブキーワード、その他キーワードを加味して作成。ペルソナやニーズを考慮して、メディアの目的へ誘導する。
CMSやHTMLタグの使用方法
CMSやHTMLタグの使用方法を記載することで、記事のデザインを統一することができます。また、独自CMSを使用している場合であれば、レギュレーションに使い方を記載することで、ライターさんの質問へ回答する工数を削減できるでしょう。
【MOREWEBのCMS・HTMLタグ使用方法】
- 箇条書きをする場合、リストタグを使用
- 内部リンクを設置する場合、リマークアラートを使用
- 外部リンクを設置する場合、「別タブで開く」を設定
- 前書き・まとめの冒頭には、吹き出しを設定
タイトル・見出し・本文の文字数
タイトルや見出し、本文は、SEOに影響する重要な項目です。文字数が全てというわけではありませんが、文字数を規定することである程度品質を均一化することができます。メタディスクリプションを執筆してもらう場合は、こちらの文字数も定めておきましょう。
【MOREWEBのタイトル・見出し・本文の文字数】
- タイトル:35文字以下
- 見出し:20文字以下
- 本文:3,000〜4,000文字程度
引用して良い・良くない情報源
Webライティングでは、他社サイト等から引用する場合があります。しかし、参照するページの情報が誤っていたり、リンクを渡してしまうと自社にとって不利になったりすることもあるので注意が必要です。基本的には、個人ブログや競合サイトからは引用しません。
【MOREWEBの引用して良い・良くない情報源】
- 引用して良い:Google公式、WordPress公式、政府系サイト
- 引用してはいけない:競合のWEB制作会社、個人ブログ、キュレーションメディア
トンマナ(表記方法・NGワード)の統一
トンマナとは、メディアのトーンやマナーのことです。Webライターさんにトンマナを統一してもらうことで、メディア全体に統一感が出ます。表記方法やNGワードを具体的に示しておくと、お互いの認識を合わせることができるでしょう。
表記方法:です・ます調、○など・できる・良い(×等・出来る・よい・いい)
NG表記:〜、!、…、♪
画像掲載のルール
画像掲載のルールも統一しておくと、メディア全体としての統一感が高まります。特に、ライフスタイルメディアなどでは、オリジナル画像であることが求められることも多いです。また、ユーザーの見やすさという点でも、画像ルールは定めておくと良いでしょう。
【MOREWEBの画像掲載ルール】
- フリー素材可
- 横長の画像
- 手順説明はオリジナル画像を使用(画面のキャプチャ)
執筆後のチェック項目
執筆後にチェックしてほしい項目を定めることで、お互いの工数削減が可能です。ディレクション側は繰り返しのFBが減り、ライター側は修正が減ります。具体的なチェック方法を記載しておくと効果的でしょう。
【MOREWEBの執筆後チェック項目】
- コピペチェックを行ったか
- 誤字脱字がないか
- 英数字は半角で統一しているか
- 文末表現が連続していないか
- 箇条書きにはリストを使用しているか
- 1文は60文字程度に収まっているか
- 漢字・ひらがな表記が守れているか
- 外部リンクは「新しいタブで開く」で設定しているか
本当に機能するレギュレーション作成のポイント
Webライティング案件を発注する際には、レギュレーション作成が必要です。しかし、レギュレーションを作ること自体が目的となり、実際の運用でうまく機能していないことがあります。以下のポイントを意識して、本当に機能するレギュレーションを作成しましょう。
レギュレーションが長過ぎないか
長過ぎるレギュレーションはNGです。Webライターさんからすると、レギュレーションが長ければ長いほど確認する気がなくなります。
全て網羅して伝えたい気持ちは分かりますが、記載することとルールが守られることは別問題です。重要な箇所に絞って記載し、残りはFBで確認するなど工夫しましょう。
お互いの工数削減に役立っているか
レギュレーションを作成するのは、そもそもチームの工数を減らすためです。しかし、レギュレーションを守ることが目的化し、工数が余計に増えているケースがあります。
レギュレーションは、あくまで業務フロー効率化の「手段」です。レギュレーションを作ることが目的とならないように注意しましょう。
運用しながら内容を改善しているか
レギュレーションは、作成した時点では完璧なものではありません。運用しているうちに、予想していなかった表記ブレや、気付かなかった運用上の懸念点が出てくるものです。
日々の業務の中でどちらにするべきか悩む案件が出てきます。そういった場合には、チーム内で認識合わせをし、レギュレーションを追記・修正することが必要です。
レギュレーションを作成してWebライティングに役立てよう
Webライティングを外注する場合、レギュレーションの作成は必須と考えて良いでしょう。レギュレーションがないと、校正校閲者やディレクターの作業が膨大になり、リソースが追いつかなくなってしまいます。
もし、現状でリソースが一杯一杯であれば、ディレクションごと外注するという選択肢もあります。ディレクションから記事作成までワンストップで外注したい、という方はお気軽にご相談ください。