カニバリゼーションとは?SEOにおける影響や具体例を挙げ徹底解説!

カニバリゼーションとは?SEOにおける影響や具体例を挙げ徹底解説!
今野直倫

カニバリゼーションと聞いても、どのような意味なのか、SEOに影響があるのかわからないですよね。

この記事では、SEOでのカニバリゼーションの具体例や影響、対策方法などを紹介します。

SEOでのカニバリゼーションを理解することで、自社のWebサイトで問題が起きているのかを分析したり、改善したりできるようになりますよ。

カニバリゼーションとは?その定義や事例

カニバリとは

SEOにおけるカニバリゼーションとは、自社のWebサイトの複数コンテンツが同じキーワードで競合してしまう状態を指します。

キーワードカニバリゼーションとも呼ばれ、同じキーワードで競合している状態です。Googleからの評価が分散したり、CVの機会を損失したりするので、改善するのがおすすめです。 SEOでの定義や事例を詳しく見ていきましょう。

カニバリゼーションのSEOでの定義

カニバリゼーションとは、日本語で「共食い」と訳されます。ビジネスでのカニバリゼーションとは、ユーザーへ提供するサービスなどが類似してしまい、お互いの売り上げを取り合うことです。

SEOにおいては、コンテンツの作成時に狙ったキーワードでカニバリゼーションが起きます。狙ったキーワードが被ってしまうことで、Googleからの評価をそれぞれのコンテンツで奪い合ってしまう状態です。

この状態が、SEOにおけるカニバリゼーションで、キーワードカニバリゼーションとも言われています。

カニバリゼーションのSEOでの事例

たとえば、「ラーメン おすすめ」と検索してみましょう。その検索結果は以下のとおりです。

ラーメン検索結果

赤枠で囲われた部分がそれぞれ同じWebサイトであることがわかります。これは、同じWebサイト内で、同じキーワードを狙ったコンテンツ同士がGoogleからの評価を奪い合い、検索上位に掲載された結果です。

このように、カニバリゼーションは検索上位に同じWebサイトのコンテンツを複数掲載している状態です。そうはいっても、検索上位に複数のコンテンツが掲載されるのでWebサイト全体のアクセスが増えるからよいという考え方もあります。

しかし、SEOへの影響も大きいので、基本的には改善する方向で考えるのがおすすめです。

カニバリゼーションのSEOへの4つの影響

カニバリ影響

カニバリゼーションはSEOに以下のような4つの影響を与えると言われています。

  1. Googleの評価へ影響する
  2. ユーザーの利便性が下がる
  3. CVなどの機会を損失する
  4. 被リンクやDAにも影響する

SEO対策は、Googleの評価やCVなどを向上するために行います。しかし、カニバリゼーションによって悪影響が及ぼされ、逆効果になることもあるので、ぜひ確認しておきましょう。

1.Googleの評価へ影響する

検索エンジンの仕組みは、ユーザーが検索したキーワードへの関連性などを重視したものです。そのため、関連性があると認められれば、検索上位に表示させることができます。(注1)

しかし、カニバリゼーションでは、2つのコンテンツでキーワードの関連性があるとして、それぞれ評価を受けている状態です。そのGoogleの評価が1つのコンテンツに集中すれば、検索順位がさらに上がることも期待できます。

カニバリゼーションが起きたコンテンツは関連性の高いページとして表示されても、検索順位が高くなることは少ないでしょう。

2.ユーザーの利便性が下がる

カニバリゼーションが起きたコンテンツでは、キーワードに対して本当に知りたい情報が含まれていないことが多いです。キーワードの関連性から表示されているものの、情報が分散し、ユーザーの利便性が落ちてしまいます。

UXが低下するため、SEO対策でも重要視されるユーザーファーストの観点から考えても、結果的に検索順位が下がる原因になると言えます。

また、Googleの基本方針には以下のような内容があります。

検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。

ユーザーをだますようなことはしない。

出典:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) | Google 検索セントラル | Google Developers

このような基本方針に沿っていない利便性が低いコンテンツは、Googleからの評価も低いので、ぜひ改善しましょう。

3.CVなどの機会を損失する

カニバリゼーションを起こす以前にコンテンツのCV率が高かった場合、カニバリゼーションを起こすことでCVの機会を損失することがあります。なぜなら、本来流入していたCV率の高いコンテンツだけではなく、自社のカニバリゼーションを起こした類似コンテンツへも流入するからです。

カニバリゼーションは、検索順位だけでなく、本来獲得できたCVなどのビジネス要素へも影響を及ぼします。

4.被リンクやDAにも影響する

SEO対策で重要な被リンクにも、カニバリゼーションによって悪影響が及ぼされてしまいます。カニバリゼーションを起こしているコンテンツの内容は、重複することが多いです。そのため、他のWebサイトからも被リンクが集中することがなくなるでしょう。

また、類似したコンテンツがいくつもある場合、Googleからの評価が分散するので、Webサイト全体の品質やDA(ドメインオーソリティー)が低下してしまいます。(注1)その結果、自社のWebサイトの規模を拡大することにも影響が出るので注意しましょう。

SEOでカニバリゼーションが起きる3つの原因

カニバリ原因

カニバリゼーションが起きる3つの原因は以下のとおりです。

  1. 類似したページタイトルやキーワード
  2. コンテンツ内容が似ている
  3. アンカーテキストやaltタグに同じキーワードがある

多くのコンテンツを作成している場合、カニバリゼーションの原因に気づかないことも多いです。

それぞれの原因を理解して、今一度カニバリゼーションを改善していきましょう。

1.類似したページタイトルやキーワード

類似したキーワードでSEO対策をする場合、タイトルタグ内に同じキーワードが含まれることが多いです。同じキーワードを含むと、そのキーワードでカニバリゼーションが起きてしまいます。

その場合、新たにタイトルを練り直すか、キーワード選定からやり直す必要があるでしょう。タイトルの重複については、 Google公式でも避けるべき方法として明言されています。(注2)

2.コンテンツ内容が似ている

検索上位に表示されていたり、高いCV率が高かったりするコンテンツがあると、その内容を参考にして類似したコンテンツを作成してしまうこともあるでしょう。しかし、同じWebサイト内に類似した内容のコンテンツがあるとカニバリゼーションを起こします。

一つ一つのコンテンツをそれぞれ独自性のある高品質なものとして、作成することでGoogleからの評価も得られるのでおすすめです。(注3)

3.アンカーテキストやaltタグに同じキーワードがある

検索エンジンはページ内リンクのテキスト(アンカーテキスト)や画像のaltタグを認識してコンテンツを評価をします。(注2)別々のコンテンツでaltタグやアンカーテキストに類似したキーワードを利用すると、同じコンテンツとして評価されるでしょう。

多少類似している程度であれば問題ないのですが、大量に同じaltタグやアンカーテキストを利用することは避けましょう。

SEOでのカニバリぜーションの4つの対策

カニバリ対策

カニバリゼーションは原因を理解し、正しい対策を行えば防ぐことが可能です。

カニバリゼーションへの対策として以下の4つがあります。

  1. タイトルタグを調整する
  2. カノニカルタグを設定する
  3. コンテンツの見直しする
  4. 内部リンクを最適化する

基本的には、カニバリゼーションが起きている原因を改善すればよいでしょう。しかし、カノニカルタグや内部リンクの工夫をすることで、カニバリゼーションを防ぐ方法もあります。ぜひ確認しておいてください。

1.タイトルタグを調整する

カニバリゼーションのなかでも、顕著に影響が出るのがタイトルタグです。類似したタイトルやキーワードの使い方をしているWebサイトがないのか、確認しておきましょう。

もし、類似したタイトルタグがある場合は、キーワードを含めつつ言い換えるか新たにリライトすることをおすすめします。

2.カノニカルタグを設定する

カノニカルタグを使用することで、複数のコンテンツをまとめて1つのコンテンツであるとGoogleに認識させることができます。

たとえば、以下のようなカニバリゼージョンを起こしているコンテンツがあったとします。

  • コンテンツA(検索結果に表示させたい)
  • コンテンツB(コンテンツAとして認識させたい)
  • コンテンツC(コンテンツAとして認識させたい)

この場合、コンテンツBとCにカノニカルタグを設定することで検索結果に表示されるのはコンテンツAだけになります。しかし、Webサイト内にはそれぞれ別のコンテンツとして残るので、ユーザーにあった異なる情報を届けることが可能です。

カノニカルタグはWordPressであれば以下のような画面で設定することができます。
投稿の編集画面の最下部に移動すると以下の画面が表示されるので、確認してみてください。

カノニカルタグ説明

カスタム Canonical URL部分にコンテンツAのような検索結果に表示させたいコンテンツのURLを入力しましょう。簡単にできる対策なので、ぜひ行ってみてください。

3.コンテンツの見直しする

カニバリゼーションを起こしているコンテンツは他のコンテンツと類似した内容が多いです。そのため、リライトやコンテンツの統合といった対策を行うとよいでしょう。

もし、そういった工程に時間を割きたくないのであれば、noindex対応をしてGoogleの評価外にするという方法もあります。

広告用のコンテンツがあるにもかかわらず、検索結果に表示される必要がないコンテンツなどがカニバリゼーションを起こしている場合は活用しましょう。

WordPressであれば、HTMLタグのhead内にと記載するだけです。プラグインなどもありますので、ぜひ検討してみてください。

4.内部リンクを最適化する

カニバリゼーションへの対策として挙げられるのが、内部リンクの最適化です。

まず、複数のコンテンツから検索上位に表示させたいメインコンテンツを決めます。その後、カニバリゼーションを起こしているコンテンツにそのメインコンテンツの内部リンクを貼り付けてください。

その結果、カニバリゼーションを起こしている複数のコンテンツに検索上位表示や評価してほしい検索エンジンに示すことができます。内部リンクの最適化を行うことで検索エンジンも混乱することなくコンテンツを評価できるでしょう。

カニバリゼーションを確認できるツール

カニバリツール確認

カニバリゼーションが起きているのかは、ツールを使うことで確認できます。

Googleが提供しているGoogleサーチコンソールといった無料のツールから、Ahrefsといった有料のツールもありますので、それぞれ確認しましょう。

自分にあったツールを見つけることができたら、早速自社のWebサイトで確認してみてくださいね。

Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソール

GoogleサーチコンソールはGoogleによる公式のWebサイト分析ツールです。

検索パフォーマンスを知ることができるツールですが、どのような検索キーワードでコンテンツに流入したのかも知ることができます。

どのような検索キーワードで流入しているのかがわかるので、同じキーワードで流入していることが多いコンテンツなどは改善する必要があるでしょう。

Ahrefs

Ahrefs

Ahrefsは月額プランで加入することができる有料のSEO分析ツールです。自社のコンテンツだけでなく、競合コンテンツの被リンクや検索順位なども調べることができます。

どのような検索キーワードで流入しているのか、検索順位はどれくらいなのかをそれぞれのコンテンツで知ることが可能です。そのため、一目でカニバリゼーションが起きているコンテンツを見つけられるでしょう。

GRC

GRC

GRCは検索順位をチェックできる無料ツールです。項目の制限などがあるので、有料にすることもできます。

狙っている検索キーワードとURLを登録するだけで、そのURLの検索キーワード内の順位を分析することが可能です。検索した日によって検索結果順位が異なるコンテンツがあることを教えてくれます。

検索順位が安定しない場合、カニバリゼーションが起きている可能性もあるので注意しましょう。

カニバリぜーションを未然に防ぐSEO対策を!

カニバリ防ぐ

SEOにおけるカニバリゼーションとは、自社のWebサイトの複数コンテンツが同じキーワードで競合する状態です。それぞれの原因を理解し、適切な対策を知ることで、カニバリゼーション改善に取り組むことができるでしょう。

また、ツールを使うことで、自社のWebサイト内のコンテンツがカニバリゼーションを起こしていないかを確認できます。まずは、自社のWebサイトのコンテンツを確認して、カニバリゼーションの改善につなげていきましょう。

ぜひ未然に防ぐことができるようなSEO対策を行ってくださいね。

出典:
注1:検索の仕組み | 検索アルゴリズム
注2:SEO スターター ガイド: 基本 | Google 検索セントラル | Google Developers
注3:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) | Google 検索セントラル | Google Developers

この記事を書いた人

今野 直倫

SEOディレクター / Webライター / コーヒー販売
コンテンツディレクターとしてSEO施策・KW選定・構成作成・校正校閲・進捗管理・ライター採用まで担当。コーヒーメディアで記事執筆も。個人ではコーヒー販売を行う。