SEOの運用をするなかで、クリック率について触れる機会があったものの、どのようなことを指すのか、検索順位にどのような影響があるのかはわからないという方も多いのではないでしょうか?
クリック率(CTR)とは検索結果に表示された回数のうち、その記事がクリックされた回数の割合を指します。多く流入した記事はGoogleにも評価されるので、クリック率は検索順位にも大きく影響するでしょう。
この記事では、SEOにおけるクリック率とは何かを解説します。また、SEOや検索順位への影響、改善方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
SEOにおけるクリック率(CTR)とは?
クリック率とは、検索したユーザーに表示された記事や広告の回数に対して、ユーザーがその記事や広告クリックした回数の割合を指します。
クリック率はSEOにおいても、SEO対策が行われているのかを確認できる重要な指標の1つです。クリック率が高い記事には、ユーザーが多く流入しているので、高品質なコンテンツを作成できれば、コンバージョン率にも好影響となります。
なぜ大切なのか、どのように計算することができるのかそれぞれ確認しましょう。
なぜ?クリック率(CTR)が大切な理由
クリック率が高いということは、検索結果に表示されたそのWebサイトに対して多くの人が興味を持って訪問しているということです。
その結果、Googleが有益なWebサイトと評価してくれるので検索順位も向上します。(注1 )
また、Googleは、クリック率について以下のように言及しています。
クリック率が高い広告やリスティングは、ユーザーにとって有益で関連性が高いという意味になります。クリック率は、広告ランクを決定する一要素であるキーワードの推定クリック率にも影響します。クリック率の良し悪しは、宣伝内容や広告の掲載先ネットワークに左右されます。
クリック率(CTR) – Google 広告 ヘルプ
SEO対策の目的は検索エンジンに最適化して、Webサイトを上位に表示させることです。そのため、コンテンツの質を高めるだけでなく、クリック率が高い記事を作成するというのもSEOの観点から同時に対策をすることが大切と言えるでしょう。
クリック率(CTR)の計算方法
Googleによると、クリック率は以下の計算式で表されます。
クリックされた回数÷表示された回数×100
クリック率(CTR) – Google 広告 ヘルプ
たとえば、自社のWebサイトが100回クリックされて、表示されたのが20回の場合はクリック率が20%です。クリック率は簡単に出すことができるので、定期的に計算し、管理しましょう。
クリック率(CTR)の検索順位への影響
クリック率が高い記事は総じて、検索順位も高いです。なぜなら、Googleはユーザーが多くクリックしている記事は、ユーザーにとって有益な記事と判断しているからです。(注2)そのため、クリック率も検索順位に影響していると言えるでしょう。
また、PCやモバイル端末などユーザーが使用する機器によって検索順位別のクリック率は少し異なります。
実際に、Advanced WEB RANKINGによる検索順位別クリック率のデータを確認しましょう。
検索上位記事のクリック率(CTR)とは
検索上位記事の順位に応じて、クリック率の平均は異なります。Advanced WEB RANKINGによる検索上位記事のクリック率(CTR)の平均は以下のとおりです。
Desktop(May 2021 US)
検索順位 | クリック率 |
1位 | 30.72% |
2位 | 15.38% |
3位 | 8.74% |
4位 | 5.56% |
5位 | 3.71% |
6位 | 2.6% |
7位 | 1.88% |
8位 | 1.43% |
9位 | 1.11% |
10位 | 0.88% |
Mobile(May 2021 US)
検索順位 | クリック率 |
1位 | 25.53% |
2位 | 14.57% |
3位 | 9.33% |
4位 | 6.18% |
5位 | 4.23% |
6位 | 3.04% |
7位 | 2.23% |
8位 | 1.68% |
9位 | 1.29% |
10位 | 0.99% |
検索順位が高い記事は、平均してクリック率も高い記事が多い傾向にあります。なぜなら、Googleはユーザーがより多く流入し、満足している記事を上位に表示しているからです。
検索上位に入っていればクリック率は自然と上がるでしょう。また、クリック率が高くなれば、それだけユーザーが興味を持って流入していることになるので、検索順位が上がる一因にもなります。検索順位とクリック率のそれぞれが相互関係にあると言えるでしょう。
スマホとPCはクリック率(CTR)が異なる
スマートフォンなどのモバイル端末とPCの検索順位ごとのクリック率の平均から、以下のことがわかりました。
- PCの1位の方がモバイル端末よりもクリック率が高い
- 3位以降はモバイル端末の方がクリック率が高い
PCとモバイル端末の1位のクリック率の差は5.19%でした。しかし、3位以降のクリック率はモバイル端末のほうが高いという結果です。検索順位1位になると、PCの方がクリックされる可能性が高く、コンバージョン率にもつながるので、SEO的な効果が高いことがわかります。
しかし、モバイル端末のほうが、検索上位3位〜10位に入ればクリックされる確率が高いです。そのため、PCだけでなくモバイル端末に対しても同様にSEO対策をする必要はあるでしょう。
クリック率(CTR)を改善する5つの要素
検索順位が高い記事ほどクリック率が高い傾向にありました。そのため、クリック率を上げるには、検索順位を上げるのがよいでしょう。既存記事の場合、リライトをする方法があります。
しかし、リライト以外にも、既存記事の検索順位で、タイトルやディスクリプションを工夫してクリック率が低い記事を改善する方法もあります。
クリック率が低い記事を改善するには、以下の5つのポイントが大切です。
- ユーザーニーズ
- タイトル
- メタディスクリプション
- ペルソナ設定
- 具体的なデータや数値
クリック率を改善できれば、検索順位も改善することにつながるので、ぜひ検討してください。
1.ユーザーニーズ
ユーザーは検索結果に表示されたタイトルやメタディスクリプションなどの情報を元に、その記事をクリックするかを判断します。そのため、検索キーワードから読み取れる顕在ニーズだけでなく、潜在的なニーズを考慮して、記事を作成しましょう。
たとえば、「SEO とは」と検索するユーザーは、SEOについての概要だけでなく、どのようにSEO対策を行うことができるのか、SEO対策の効果は何かなどを同時に求めています。
SEOについての概要をまとめているだけの記事では、ユーザーは興味を持ってクリックしてくれないでしょう。ユーザーが何を求めて検索したのかを考えて、記事を作成することが大切です。
2.タイトル
タイトルは、検索結果に表示されるその記事の看板のようなものです。ユーザーのニーズを反映することはもちろん、検索上位を狙ったKWを必ず含むようにしましょう。
たとえば、「SEO とは」と検索した結果に「おすすめ対策や基本情報!〜な効果がある!」というタイトルの記事があるとします。記事内容はニーズを反映しているように思えますが、「SEO とは」というKWがタイトルに含まれていないと、ユーザーはクリックしたいと思いません。ユーザーが検索したKWを必ず含むようにしましょう。
3.メタディスクリプション
メタディスクリプションとは、検索結果のタイトル直下に表示される記事の概要を指します。
メタディスクリプションを見て、記事の内容を把握し、クリックするというユーザーも多いです。そのため、メタディスクリプションを正しく設定しましょう。
メタディスクリプションが設定されていない場合、基本的にはGoogleが自動的に記事内から抽出します。メタディスクリプションが設定されていても、自動的に抽出されることがあります。しかし、自動的に抽出された内容は冒頭の文章そのままなので、記事全体の概要をうまく伝えることができないです。
PCの場合は120文字程度が全文表示されるので、その文字数以内でユーザーに伝わる記事の概要を作成しましょう。
4.ペルソナ設定
ペルソナと呼ばれる、記事のターゲットとなるユーザーを設定することが大切です。ターゲットが明確になると、特定のユーザーに対して確実に訴求することができます。
たとえば、髭剃りを扱っている記事では、男性をペルソナに設定し作成することが大切です。髭剃りを使わない女性や必要のない人をターゲットにすると、どれだけ魅力的な記事であっても、クリックされることはないでしょう。
5.具体的なデータや数値
記事を作成するなかで、具体的な数字やデータがあるならタイトルやメタディスクリプションに含めることが重要です。「業界1位」「年間〇〇名のお客様がご利用」など、具体的な数字があるとユーザーにとってもわかりやすく、興味を持ってくれるでしょう。
ユーザーが記事に興味を持てば、クリックする確率が上がることに繋がります。
クリック率(CTR)を確認する方法
クリック率を改善するには、現在の記事のクリック率を知る必要があります。それぞれの記事でのクリック率を確認するためには、Googleサーチコンソールを利用しましょう。
Googleサーチコンソールは、検索結果での記事の掲載順位を管理したり、改善したりするのに役立つ無料のツールです。(注3)
Googleサーチコンソールを使ってクリック率を確認するには、まず、トップページにある「検索パフォーマンス」をクリックします。すると、「合計クリック数」や「合計表示回数」などが表示されます。
こちらの画面で、「平均 CTR」をクリックしてください。画面下部にそれぞれの記事の表示回数やクリック数、平均クリック率(CTR)を確認できます。
また、各記事のクリック率を検索キーワード別に確認することもできます。先ほどの画面から、確認したい記事を選択し、クエリ部分をクリックしてください。クエリとは検索キーワードを指します。
それぞれの記事のクリック率を確認できたら、その記事で改善できる要素がないか確認して改善に取り組みましょう。
SEOのクリック率(CTR)は改善できる!
クリック率とは何か、なぜSEOで重要とされているのかを解説してきました。また、検索順位への影響や改善方法についても理解が深まったと思います。
Googleサーチコンソールを使えば、簡単に記事のクリック率を確認することができます。クリック率が低い記事も適切に対処すれば、改善することが可能です。ぜひ、この記事を参考に、クリック率を高め、検索順位を上げることに役立ててくださいね。
出典:
注1:検索の仕組み | 検索アルゴリズム
注2:クリック率(CTR) – Google 広告 ヘルプ
注3:Search Console の概要 – Search Console ヘルプ