SEOはどのような歴史を辿ってきたのか学ぶ機会は少ないですよね。SEOについての歴史を知ることは、よりSEOへの理解を深めることにつながります。
この記事では、SEOの歴史やGoogle検索エンジンのアップデートの変遷などを紹介します。また、SEOの歴史から、今後必要とされるSEO対策についても解説します。
SEOの歴史を知って理解を深めることで、これからの検索エンジンの動向を予測することができ、必要なSEO対策を講じられるようになりますよ。
そもそもSEOとは?
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。
SEO対策の目的は、Googleなどの検索エンジンの仕組みにWebサイトを最適化することです。それによって、ユーザーの検索結果に上位表示させ、Webサイトに多くのアクセスを集めることができます。
SEO対策で検索結果上位に記事を表示させることができれば、より多くのユーザーに発信したい情報を届けられるでしょう。なぜなら、ユーザーは何かを検索した際に、興味がある記事を検索結果の上から順番に閲覧しているからです。
SEO対策を行うことは、Webマーケティングの観点からも重要と言えるでしょう。
SEOの歴史は検索エンジンの誕生により始まる
SEOとは、検索エンジンへの対策でした。そのため、検索エンジンとともに誕生し、発展してきたと言えます。検索エンジンの歴史がSEOの歴史とも言えるでしょう。
世界初の検索エンジン「Archie」が1990年に誕生してからYahoo!やGoogleなどの検索エンジンが登場します。40年近い検索エンジンの歴史を振り返っていきましょう。
世界初の検索エンジンの誕生
世界初の検索エンジンが誕生したのは1990年です。Archieという検索エンジンで、カナダの大学生により実装されました。
現代のようなクラウド型の検索エンジンではなく、特定のサーバーに登録している内容を検索するという形です。しかし、当時はなかった画期的な仕組みだったので人気を博したそうです。
1990年代中頃〜ディレクトリ型検索エンジン
1990年年代中頃になると、Yahoo!などのディレクトリ型検索エンジンが登場します。ディレクトリ型検索エンジンとは、手動で登録されたWebサイトを検索できる仕組みです。
また、トップページからカテゴリ毎に気になるWebサイトを見つけることができるようになります。しかし、膨大な量のWebサイトが増え続けるなかで、手動で登録していくことには限界がありました。
1990年代後半〜ロボット型検索エンジン
1990年代後半に入ると、Googleなどのロボット型検索エンジンが登場します。ディレクトリ型検索エンジンの課題は手動でのWebサイトの登録です。しかし、ロボット型検索エンジンではロボットが自動でWebサイトを登録できるようになり、課題を克服しました。
その後、Googleは膨大なWebサイト情報を保有する検索エンジンとして、検索エンジン日本でシェア1位になっていきます。
Google検索アルゴリズムの歴史
SEO対策は、より多くのユーザーが使用する検索エンジンで行うのが主流です。そのため、現代のSEO対策は日本でシェア1位のGoogleへの対策を主に行っています。
SEOの歴史はGoogleとともに歩んできたと言っても過言ではないでしょう。ここでは、SEOの歴史の1つとして、Google検索アルゴリズムの歴史を解説します。
それぞれのアップデート内容は今では当たり前のことも多いので、ぜひ確認しておいてくださいね。
2011年:パンダアップデート
パンダアップデートとは、低品質なコンテンツの検索順位を下げ、高品質なコンテンツの検索順位を上げることを目的としたアップデートです。
低品質なコンテンツとは、コピーされたページやアフェリエイトリンクの過剰な貼り付けがあるページを指します。
このアップデートによりコンテンツの独自性やユーザーが満足する内容が評価されるようになりました。このアップデートの内容は現在も重要な指標の1つになっています。
2011年:フレッシュネスアップデート
フレッシュネスアップデートとは、最新の情報が記載されたWebサイトを検索結果の上位に表示しやすくしたアップデートです。
このアップデートにより、「毎年開催している大会」について検索した際の検索結果に、5年前や10年前の古い情報が上位表示されることがなくなりました。
2012年:ペンギンアップデート
ペンギンアップデートとは、違法に被リンクを集め検索上位表示を狙っていたWebサイトが淘汰されたアップデートです。
ブラックハットSEOと呼ばれた過剰なSEO対策を行う業者が一斉に排除され、ユーザーファーストで高品質なコンテンツが認められるようになりました。
2013年:ペイデイローンアップデート
ペイデイローンアップデートとは、金融やクレジット系、アダルト系Webサイトの検索結果上位に低品質なコンテンツが表示されないことを目的としたアップデートです。
ペイデイローンとは通称であり、Google公式がこの名称をつけたわけではありません。
2013年:ハミングバードアップデート
ハミングバードアップデートとは、対話形式の検索アルゴリズムが導入され、ユーザーの検索意図が読み取れるようになったアップデートです。
たとえば、「スーパー 近く」と検索すると、近くにあるスーパーが検索結果に表示されます。
これは、このアップデートで追加されたGoogleの検索アルゴリズムが「ユーザーが近くにあるスーパーを探して検索した」という意図を汲み取った結果です。
2014年:ピジョンアップデート
ピジョンアップデートとは、ローカル検索とオーガニック検索のアルゴリズムが統合されたアップデートです。
その影響でいままでローカル検索で表示されていたお店などが、表示されにくくなってしまいました。しかし、検索した地名のわずかな違いを認識することができるようになったので、利便性が向上したとも言えるでしょう。
2014年:ベニスアップデート
ベニスアップデートとはユーザーの位置情報を活用し、最適な検索結果を表示するアップデートです。
これにより、北海道の人が「ラーメン屋」と検索しても、東京のラーメン屋さんが検索上位に表示されることは無くなりました。
2015年:モバイルフレンドリーアップデート
モバイルフレンドリーアップデートとは、Webサイトがスマートフォンの閲覧に対応しているかどうかを検索順位に大きく影響させることを目的としたアップデートです。
スマートフォンで検索する人が増えていた時期なので、ユーザーの利便性を考えた重要なアップデートと言えるでしょう。
2015年:クオリティアップデート
クオリティアップデートとは、その名の通りコンテンツの品質に関する検索アルゴリズムのアップデートです。
パンダアップデートとは違い、全てのコンテンツに対するランキングアルゴリズムの更新が目的でした。
2017年:インタースティシャルアップデート
インタースティシャルアップデートとは、ユーザーのページ閲覧中に表示されるポップアップ広告を搭載したコンテンツの評価を下げたアップデートです。
しかし、どうしても画面に表示したい場合は、cookieの許諾を問えば対象とならないので安心してください。
2017年:健康アップデート
健康アップデートとは、健康や医療など身体に関わる検索結果の改善を目的とした日本語検索でのアップデートです。
これにより、医療従事者や専門家などによる情報が優先的に検索上位に表示されるようになりました。
2018年:スピードアップデート
スピードアップデートとは、Webサイトの表示速度を検索順位に影響させることを目的としたアップデートです。
しかし、とにかく表示速度の速いWebサイトが上位に表示されるわけでなく、やはりコンテンツの質が重要でしょう。
2019年:BERTアップデート
BERTアップデートとは、検索したキーワードの文脈や意図を分析し、よりユーザーのニーズに沿った検索結果が表示されるようになったアップデートです。
BERTとは人工知能を使った自然言語処理モデルのことを指します。BERTは、複雑なキーワードでより高い効果を発揮できるのが特徴です。
【2021年】これからのSEOのトレンド
これからのSEOのトレンドはどのようなものでしょうか?
Googleは、基本的にユーザーの利便性を追求してきました。その流れとともに、アップデートが繰り返されているということも理解できたのではないでしょうか。
その最新のGoogleアップデート内容や時代の動きから、今後のSEOのトレンドはUXやモバイルフレンドリーと言われています。
UXやモバイルフレンドリー
一昔前は、情報を見ることが目的というユーザーが多く存在しました。しかし、当たり前に情報が手に入る時代では、その情報を獲得する際にいかに効率よく見やすくなっているのかが重要とされています。それが、UX(ユーザー体験)と呼ばれるものです。
また、UXのなかでも、スマートフォンでのWebサイトの表示方法が最適化されていることを目指したモバイルフレンドリーが重視されています。 PCよりもスマートフォンで検索することが多くなったこの時代の流れに沿ったものと言えるでしょう。
コアウェブバイタル
2021年5月にリリースされたコアウェブバイタルは、UXをより具体的に数値化するために導入されました。
具体的には以下の要素で成り立っています。
- LCP(Largest Contentful Paint ):読み込み時間
- FID(First Input Delay ):インタラクティブ性
- CLS(Cumulative Layout Shift ):ページコンテンツの視覚的な安定性
コアウェブバイタルの導入により、今後はコンテンツの質に加え、そのWebサイトの構造そのものも重視される流れが強まるでしょう。UXやモバイルフレンドリーの傾向を知って早いうちから対策をとっていきましょう。
常に変化しているGoogleのアップデートにも気を配ることが大切ですよ。
SEOの歴史を知って今後の対策に活かそう
SEOの歴史はGoogle検索エンジンの歴史でもありました。SEOの歴史を知ることで、理解が深まり、これからのSEOの流れや対策に興味を持てたのではないでしょうか。
SEOは、検索エンジン最適化なので、常に検索エンジンのトレンドを知っておくことが大切です。
Googleなどの検索エンジンは、日々ユーザーが便利に情報を知れることを目指して進化し続けています。
これまでの歴史を理解したことで満足するのではなく、これからのSEOや検索エンジンの対策に活かしましょう。