現在検索エンジンのシェアNo.1を誇るのはGoogleです。そのため、ユーザーの多いGoogleの仕組みを知ることは、SEOにおいて重要とされています。
Google検索エンジンでは、クローリング、インデックス、アルゴリズムに基づいてWebページのランキング(順位づけ)が行われます。その仕組みから、検索結果にWebページが反映されています。
この記事では、検索エンジンの仕組みやGoogleの基本理念を紹介します。また、SEO対策への活用方法もあわせて紹介するので、ぜひ検索エンジンへの理解を深めていただけたら幸いです。
そもそも検索エンジンってなに?
検索エンジンとは、インターネット上にあるWebサイトなどを探すためのシステムを指します。キーワードを検索欄に入力することで、そのキーワードに関連したWebページを検索することができます。
検索エンジンには、一定のプログラミング(ロボット)が組み込まれています。そのプログラミングの役割は、ユーザーが検索した内容をニーズに合うよう改善することです。その結果、ユーザーは常によりよい情報を見つけられるようになっています。
主要な検索エンジン
検索エンジンにはいくつかの種類があります。日本においてシェア率が高いのは、GoogleやYahoo!などです。世界ではBingやBaiduといった検索エンジンもありますが、聞き馴染みがないかもしれません。
日本における検索エンジンシェア率は以下のとおりです。
1位 Google:77.06%
2位 Yahoo:17.94%
3位 bing:4.57%
4位 DuckDuckGo:0.16%
5位 Baidu:0.15%
6位 YANDEX:0.03%
出典: Desktop Search Engine Market Share Japan | StatCounter Global Stats
利用しているユーザーが少ない検索エンジンでSEO対策をしても、効果的とはいえません。SEOの観点からも、80%近い検索エンジンシェアを誇るGoogleを知ることは重要といえます。
検索エンジンの仕組みとは?Googleを例に解説
Googleでは、検索アルゴリズムに基づいて、クローリング、インデックス、ランキングという3つのステップが行われています。
クローリングというステップでのクローラーの役割は、Webサイトの情報を集めることです。集められた情報はインデックスのステップで登録され、検索アルゴリズムによってランキングが確定します。
どのステップに対しても適切な対策を取ることができれば、検索上位に表示させることは可能です。ぜひ、Google検索エンジンの仕組みを理解しておきましょう。
検索アルゴリズムとは
検索アルゴリズムとは、検索順位を決定するために、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに組み込まれているシステムのことです。
Googleでは、検索アルゴリズムについて以下のように言及しています。
この検索アルゴリズムが関連性や品質の高い基準を満たせるように、ライブテストや、世界各国にいる熟練した外部の検索品質評価者による評価など、厳正なプロセスを整備しています。
出典:検索の仕組み | 検索アルゴリズム
検索アルゴリズムは、日々ユーザーのニーズに応えることができるよう改善されています。そのため、Googleの大規模なアップデートで、検索アルゴリズムが変わると、検索順位が変動する場合もあるでしょう。Googleがどういったアルゴリズムなのかを常にチェックしましょう。
クローリング
Googleには、クローラーと呼ばれるプログラム(ロボット)が組み込まれています。クローラーは、インターネット上を巡回し、Webサイトなどの情報を収集しています。そのため、クローラーにWebサイトを知ってもらうことが必要です。
しかし、インターネット上にある膨大なWebページを巡回しているクローラーに知ってもらうのは簡単ではありません。そのため、SEO対策が必要になります。
インデックス
インデックスとは、クローラーが集めたWebサイトの情報をGoogleのデーターベースに登録することです。インデックス(登録)されることで、検索結果に表示されるようになります。
コンテンツを見つけてもらうために、Webサイトを最適化しインデックスしてもらうことが重要です。また、新しいURLや更新されたURLをGoogleに送信することでも、インデックスされます。(注1)
アルゴリズムに基づいて検索結果へ反映(ランキング)
Googleでは、検索アルゴリズムに基づいて、検索順位が決まります。(注2)
Webページを整理するためにいくつかの要素から成り立っており、ランキングシステムとも言われています。
Googleによると、検索順位を決める主な要因は以下のとおりです。(注2)
- 検索意図の把握
- ウェブページの関連性
- コンテンツの品質
- ユーザビリティ
- 文脈の考慮
どの要因も検索順位を決める大事な要素と言えます。どの部分が足りていないのか知ることで、Webサイトの検索順位を上げることが可能になるでしょう。
Googleの基本理念とは?
検索エンジンの仕組みを知るために、検索エンジンシェアが高いGoogleの基本理念を紹介します。
Googleの基本理念と言われる「Googleが掲げる10の事実」には、ユーザーに対して焦点を絞ることや Webサイトの速さが大事といった内容が書かれています。(注3)
基本理念を知ることで、適切なSEO対策に繋げることが可能でしょう。
Googleが掲げる10の事実
Googleの基本理念は、以下の「Googleが掲げる10の事実」に表されています。
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速いほうがいい。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. 「すばらしい」では足りない。
出典:Googleが掲げる10の事実
「ウェブ上の民主主義」や「ユーザーに焦点を絞る」といった項目があるように、Googleはユーザーファーストを貫いています。そのため、定期的に行われるアップデートは、ユーザーによりよい情報を届けるために行われることが多いです。
Googleの大型アップデートの1つ「ペンギンアップデート」では、SEOを過剰に使った内容やスパム的な手法を使うコンテンツなどを排除し、検索結果の品質を高めるためのアルゴリズムが導入されました。
このアップデートにより、スパムのような有益でない記事が排除され、よりユーザーファーストな検索結果が反映されるようになっています。
SEOの観点からも、ユーザーファーストの考え方は理解しておきましょう。
ユーザーファースト
ユーザーファーストとは、ユーザーを優先する、ユーザー第一主義という意味です。商品やサービス、Webサイトのデザインや使いやすさなど、ユーザー目線を取り入れていく考え方と言われています。
Googleはユーザーファーストの観点から、さまざまな開発を行ってきました。著名人や組織などを検索すれば、すぐに情報が表示される「ナレッジグラフ」や検索したキーワードの候補を出す「サジェスト」などもその一例です。
SEOにおいても、コンテンツがユーザーにとって満足できるのかというユーザーファーストの視点を持っておきましょう。
検索エンジンGoogleの機能
Googleは、ユーザーファーストの考えのもと、検索エンジンのなかでも以下のようなさまざまな機能を備えています。(注4)
- オーガニック(自然)検索
- リスティング広告
- バーティカル検索
- ユニバーサル検索
- セマンティック検索
このような機能は、ユーザーが見つけたい情報をスムーズに知ることを助けます。ユニバーサル検索のように、SEOの観点からアプローチすることで、より多くのユーザーに情報を届けることも可能です。
どのような機能があるのかを確認していきましょう。
オーガニック(自然)検索
オーガニック検索とは、ユーザーが検索したキーワードに対する検索結果のことで、自然検索とも言われます。リスティング広告など意図的に検索結果に表示するWebサイトは含まれません。
ユーザーが検索エンジンを使って検索した結果を指し、Googleの検索アルゴリズムに沿って表示されています。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索結果連動型広告とも言われ、ユーザーがキーワードを検索した際に、連動して以下のように検索結果に表示されます。
ユーザーがそのリンクをクリックした数に応じて金額を支払う広告の1つです。
バーティカル検索
バーティカル検索とは、通常の検索結果だけでなく、地図やニュース、画像、動画といった特定のカテゴリで検索できる機能です。
上記のように、検索キーワードだけでなく、ユーザーがより目的にあった情報を見つけることを助けます。
ユニバーサル検索
ユニバーサル検索とは、ユーザーが検索したキーワードにおける、Webページ以外の最適なコンテンツを表示する機能です。地図や画像、動画など、検索したキーワードに関連性の高いコンテンツを自動で表示します。
いくつかのパターンがあるので、紹介します。
- ローカルパック
- 強調スニペット
- ナレッジパネル
- リッチスニペット
ローカルパック
以下のように検索したキーワードに関連するマップや情報が表示される機能をローカルパックと言います。
行きたいお店などを知りたいときはに役立つ機能です。
強調スニペット
強調スニペットとは、検索したキーワードに対して、インターネット上にあるリソースのなかから、すぐに最適な答えを表示してくれる機能です。
強調スニペットに選ばれるコンテンツを作成できると、Webサイトへの流入も増えます。SEO対策でも重要な機能の1つです。
ナレッジパネル
地名やモノなどに対して、ユーザーが知りたい情報をまとめて表示してくれる機能はナレッジパネルと言われます。
Webサイトに入らなくても、すぐに知りたい情報が知れるので、ユーザーファーストなGoogleならではの機能と言えるでしょう。
リッチスニペット
リッチスニペットとは、検索したキーワードから、ユーザーがそのWebページの内の情報を把握しやすくなる機能です。
上記のように、テキストだけでなく、画像や商品のレビューや価格などがリッチスニペットとして反映されます。
検索エンジンGoogleの仕組みを理解し上位を狙う方法
Googleはクローリング、インデックス、ランキングのステップに沿って検索順位を決定しています。
そのため、それぞれの要素に対して適切な対策を行うことが、上位を狙う方法と言えます。
クローリングを促進し、クローラーにWebサイトをインデックスされやすくしたり、UI・UXを意識したコンテンツを作成したりすることで、Webサイトが上位に表示される可能性が高くなります。
ぜひ、紹介した方法を参考に、対策を行っていただけると幸いです。
クローリングを促進する
クローリングを促進することは、Webサイトを適切に評価してもらうことにつながります。クローラーは、インターネット上にある膨大な数のWebページを巡回しています。そのため、より単純で論理的なWebサイトの構造がよいでしょう。
Webサイトのトップページから、何度かクリックするのではなく、すぐに目的のコンテンツを探せるシンプルな構造が求められます。
内部リンクを貼り付ける
コンテンツを作成する際は、同じWebサイト内の関連性のある内部リンクを貼り付けることが大切です。
関連性のあるページへつなぐことで、ユーザーがより知りたい情報を知ることができます。ユーザーファーストの観点から、Googleでも高い評価を受けることができるでしょう。
UI・UXを意識する
コンテンツの質が高いことは大切ですが、ユーザーにとって使いやすいWebサイトなのかという観点も大切です。
UIとは、ユーザーとの接点を指します。サイトデザインやメニュー、レイアウトといった要素です。質の高いUIを目指すことで、ユーザーの満足度を高まり、Googleに評価されるでしょう。
また、ユーザーがWebサイトを通じて得られる体験や経験を総合したものがUXと言われています。質の高いUXをユーザーに感じてもらうためには、質の高いUIが求められるでしょう。
コンテンツの充実
ユーザーファーストであるGoogleが大切にしているのは、コンテンツの充実です。
Googleは、常にユーザーが満足できる情報を提供するためのアルゴリズムを導入しています。検索した上位のコンテンツを見るだけで、ユーザーの知りたい情報が提供できることを目指しているのです。
そのため、他のWebサイトの内容やユーザーのニーズを網羅し、コンテンツを充実させることが求められるでしょう。
Googleのアップデートの重要性
Googleはユーザーファーストな検索エンジンです。そのため、よりよい情報を届けるためにアップデートを繰り返しています。
2017年に実施された「医療や健康に関連する検索結果の改善について」のアップデートでは、「医療や健康に関連する信頼性のあるコンテンツを評価する」と明言しています。(注5)
このようなアップデートにより、検索アルゴリズムが変わり、検索結果の順位が変化する場合があります。アップデートは常に行われているので、どのような内容か把握することはSEOの観点からも重要と言えるでしょう。
検索エンジンの仕組みを知ることはGoogleを知ること
検索エンジンシェア1位のGoogleの仕組みは、以下のとおりです。
- クローリング
- インデックス
- アルゴリズムに基づいて検索結果へ反映(ランキング)
SEO対策の観点から、検索エンジンの仕組みを知ることは、ユーザーの利用率が高いGoogleの仕組みを知ることと同義と言ってもよいでしょう。Googleの基本理念や定期的なアップデートを理解しておくことで、適切なSEO対策を行うことができます。
ぜひ、検索エンジンGoogleへの理解を深め、適切なSEO対策を行っていただけると幸いです。
出典:
注1:インデックス登録について | Google 検索セントラル | Google Developers
注2: 検索の仕組み | 検索アルゴリズム
注3:Googleが掲げる10の事実
注4:Google 検索の仕組み | 便利な検索サービス
注5:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA] : 医療や健康に関連する検索結果の改善について