Webマーケティングが当たり前になり、今やオウンドメディアを持っていない企業はないほどです。SEOマーケティングを取り入れる企業も増えてきています。
そういったなか、SEOディレクターの需要が高まっていると感じます。実際、私が携わっているメディアでも、基本的にはSEOディレクターが足りていません。
この記事では、SEOディレクターの業務内容や必要なスキルを紹介します。そもそもSEOディレクターとは何なのかから、丁寧に見ていきましょう。
SEOディレクターとは?
SEOディレクターとは、SEOコンテンツ制作の全体を統括する職種です。SEO施策の決定からプロジェクトの進行まで、その業務内容は広範囲にわたります。
また、明確な定義はないため、メディアによっても担当する業務内容は異なります。SEOコンテンツ制作に関する経験や知識を活かした、柔軟な立ち回りが求められます。
SEOディレクターの年収
SEOディレクターの年収は、おおよそ300万円〜1,000万円と幅が広いです。コンテンツマーケティングだけでなくコーディングや広告運用なども求められる場合、それだけ年収も上がります。
また、SEOディレクターはフリーランスも多く、その場合は年収が上がりやすいといえます。私の感覚値ですが、1年で年収が倍になるということもざらです。
※出典:求人ボックス
SEOディレクターの業務内容
SEOディレクターの業務内容は企業によっても異なるため、明確に定義することはできません。具体的には、コンテンツマーケティングの他、広告運用や内部設計も担当することがあります。
ここでは、SEOディレクターの基本的な業務内容を紹介します。
Webサイトの現状分析
施策を打つ前に、Webサイトの現状を分析します。なぜなら、Webサイトの現状によって打つべき施策の方向性が変わってくるからです。
- 新規サイトか老舗サイトか
- アクセスは集まっているか
- コンバージョンは取れているか
こういったWebサイトの現状を把握することで、新規コンテンツを入れるべきなのか、リライトするべきなのかなどの具体施策が見えてきます。
アクセス改善の戦略立案
SEOディレクターの基本的な役割は、Webサイトのアクセスを改善することです。そのために、現状を改善するためにはどういった戦略が適しているのかを考えます。
- 検索ボリュームの大きいキーワードを選ぶ
- コンバージョンに近いキーワードから選ぶ
- テールキーワードから狙って、徐々に検索ボリュームを大きくする
Webサイトの現状はもちろん、クライアントの目的に合わせた戦略立案が求められます。SEO的な知識だけでなく、相手の意図を汲み取る能力も必要です。
クライアントとのすり合わせ
立案した戦略で問題ないのかどうか、クライアントとすり合わせを行います。その戦略でアクセス改善が期待できるかどうかの他、以下のようなポイントも論点になります。
- クライアントのブランディング
- 注力している商品・サービス
- 競合サイトとの差別化
Webサイトのアクセスを伸ばすことは、あくまで手段でしかありません。その先にあるプレゼンスや売上の向上が目的になるため、包括的なすり合わせが必要となります。
プロジェクトの管理・進行
全体的なSEO施策の方向性が決まったら、具体的なプロジェクトに落とし込みます。具体的には、コンテンツごとにキーワードを選定し、構成作成・執筆を進めていきます。
- キーワード選定
- 構成作成
- 記事執筆
- 校正校閲
- SEOチェック
- クライアント確認
- 記事修正
- 記事納品
メディアによっても変わりますが、大まかな流れら上記のとおりでしょう。各工程に関わるメンバーに指示を出し、進捗管理をすることがSEOディレクターのメインとなる業務です。
SEOディレクターに必要なスキルとは
SEOディレクターには、かなり広範で汎用的なスキルが求められるといえます。なぜなら、コンテンツの品質を維持することと、プロジェクトを円滑に進めることを同時に行わなければいけないからです。
ただし、誰もが最初は初心者なので、すべて完璧にできるわけではありません。以下3つのスキルを確認し、1つずつ身に付ける努力をしましょう。
SEOの基礎知識
SEOディレクターを目指す人は、最低限のSEO知識を身に付ける必要があります。SEO知識がなければ、戦略を策定することも、品質を管理することもできません。
具体的には、以下の経験を積んでから、SEOディレクターになることが望ましいです。
- Webライター
- ブログ運営
SEO知識を身に付けた上で、実際に使って確かめることが何よりも重要です。知識の習得に終わらず、アウトプットを欠かさず行いましょう。
ツールの使い方
SEOは、データベースのマーケティングです。データを確認して正しく活用するためには、アクセス解析ツール・リサーチツールなどの使い方を身に付ける必要があります。
- Googleサーチコンソール
- Googleアナリティクス
- キーワードプランナー
上記の3つは、最低限使えるようになっておきたいところです。Webライターやブログ運営の経験をしていれば、自然と使えるようになるはずです。
コミュニケーションスキル
SEOディレクターに向いているのは、一言でいえばコミュニケーション能力の高い人です。少なくとも、意思疎通が問題なくできるレベルでなければ難しいかもしれません。
- レスポンスが早い
- 柔軟に対応できる
- 精神的に落ち着いている
SEOディレクターは、クライアントとチームメンバーの間に立ち、プロジェクトの橋渡しをする存在です。上記のようなコミュニケーションの取れる人は、SEOディレクターの素養があるといって良いでしょう。
SEOディレクターにおすすめの資格
SEOディレクターになるには、必ず資格が必要というわけではありません。私も資格を持っているわけではありませんが、複数企業でSEOディレクターを務めています。
しかし、全くの未経験からSEOディレクターを目指すのであれば、資格の勉強は基礎知識を学ぶのに効果的です。有名な以下3つの資格から、取る資格を検討してみると良いでしょう。
Webアナリスト検定
Webアナリスト検定は、JWE(日本Web協会)が主催している検定です。企業のWeb担当者やSEOディレクターの他、エンジニアやデザイナーにも役に立つ検定とされています。
具体的には、Googleアナリティクスの使い方を包括的に学ぶことができます。単なる使い方に留まらず、現場で活かせる実践的な内容が学べるのが特徴です。
IMA検定
IMA検定は、クラウドマネージメント協会が主催している検定です。インターネットでの集客から、その結果をアクセス解析し、改善策レポートを作成・実行するところまでを一気通貫で学べます。
暗記に固執しない学習方法を取り入れており、試験時には教材利用やWeb検索も許可されています。実務に近い形で学べるのが、IMA検定の大きな特徴です。
SEO検定
SEO検定は、全日本SEO協会が主催している検定です。Webサイトの担当者として就職したい、これまで学んだSEOの知識や技術を体系的に復習したい方におすすめされています。
検定は全部で4級〜1級まであり、段階的に学べるカリキュラムが組まれています。2002年より長年の間蓄積してきたノウハウが体系的にまとめられています。
SEOディレクターになるには?
SEOディレクターになるには、特別な資格が必ず必要というわけではありません。私自身も資格試験は受けたことがなく、実務のなかで知識を学んできました。
しかし、SEOディレクターになる前に、最低限のSEOスキルやコミュニケーション能力は身に付けておくと良いでしょう。具体的は、Webライターとして案件を受けてみるのがおすすめです。
Webライターの始め方については以下の記事で紹介しています。こちらも合わせて参考にしてください。