今野 直倫 
Webライティングとは、Web上のメディアに公開される記事を書く仕事です。
しかし、「Webライティングでは、具体的にどんな記事を書くの？」「評価される記事の作り方って？」そういった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか？
今回は、Webライティングで書く記事の特徴や、評価される記事の作り方のポイントなどを詳しく解説します。
この記事を参考にして、Webライティングにおける記事の特徴を知り、ご自身のライティング業務に活かしてください。
Webライティングで書く記事とは？
Webライティングで書く記事は、一般的な紙媒体で書かれる記事とは違う部分が多いです。また、小説やエッセイなどとも大きく異なるので、文章を書き慣れている人でも、記事を書く際には意識する必要があります。
まずは、Webライティングで書く記事の特徴を押さえましょう。そのうえで、記事を書くときの具体的な方法をご紹介します。
想定される読者
Webライティングの記事で想定される読者は、紙媒体よりも一般的な人たちです。誤解を恐れずにいえば、リテラシーはそれほど高くないと考えてよいでしょう。
なぜなら、Webライティングの記事への流入は、Web検索がメインだからです。手軽に何かを知りたいと思ったときに、誰でも検索することができるため、一般的なユーザーが想定されます。
記事を書く目的
多くの場合、Webライティングの記事は集客や販促の目的で書かれます。つまり、Webライティングは、マーケティング手法の1つということです。
多くのユーザーを集めるために検索結果の上位に表示したり、商品・サービスへの誘導を考慮したりする必要があります。ただ質の高い記事、ただ読みやすい記事、というだけではWebライティングの本来の目的は果たせません。
意識すべきこと
上述したポイント以外に、Webメディアに掲載される記事であることも意識する必要があります。
Webメディアには、PCだけではなく、スマホやタブレットからもアクセスできます。とくに、現代では、PCに比べてスマホからのアクセス比率が高い傾向があります。
スマホ端末でも読みやすいように、短文で簡潔な表現を心がけたり、適度に改行したりすることを意識するとよいでしょう。
Webライティングで記事を書く前にすること
Webライティングで記事を書くことは、Webマーケティング手段の1つです。したがって、ただよい記事を書くだけでなく、ユーザーをメディアに集められるような記事を書く必要があります。
集客するためのカギとなるのが、検索キーワードです。ここでは、キーワードの調査を中心に、Webライティングで記事を書く前にすることを解説します。
1：キーワードを決める
Webライティングでは、記事の軸となるキーワードを決めるのが一般的です。キーワードを軸に書くことで、キーワードで検索するユーザーの流入を獲得する狙いがあります。
- 記事の目的：コーヒー好きの人を集客する
- キーワード：コーヒー 淹れ方
キーワードごとにユーザーニーズが異なるので、メインとなるキーワードは1つに絞るのが普通です。
2：ユーザーニーズを洗い出す
キーワードを決めたら、そのキーワードのユーザーニーズを洗い出します。ユーザーニーズとは、そのキーワードでユーザーが知りたいことです。
- キーワード：コーヒー 淹れ方
- ユーザーニーズ：コーヒーのおいしい淹れ方を知りたい。自分でも実践してみたい。
ユーザーニーズを洗い出すことで、本当にユーザーの役に立つ記事が作れます。また、そういった記事は上位表示もされやすいです。
3：ペルソナを設計する
ペルソナとは、ターゲットとなるユーザー層を1人の人物として具体化したものを指します。具体的には、ユーザーの年齢や性別、家族構成、職業、悩みや検索したきっかけなどを決めます。
- 年齢・性別：20代後半男性
- 家族構成：独身
- 職業：営業職
- 悩み：家で淹れるコーヒーがおいしくない。
- 検索のきっかけ：家でコーヒーをよく淹れるので、おいしく淹れたいと思い「コーヒー 淹れ方」で検索した。
1人の人物を読み手として想定することで、より詳細で具体的な記事を書きやすくなります。設計したペルソナに宛てるつもりで、記事を書くとよいでしょう。
4：競合ページを分析する
競合ページを分析することで、検索結果に上位表示できる確率が高まります。なぜなら、上位に上がっている競合ページは、ユーザーに求められているといえるからです。
競合ページの内容を参考にすることで、どういった情報が求められているかを知ることができます。また、逆に不要な情報があれば、自分の書く記事には含まないといった判断もできるでしょう。
5：サジェストを調べる
サジェストとは、検索したときに検索窓の下に出てくる「キーワード候補」のことです。サジェストは、該当するキーワードとの関連が強いため、記事に盛り込むことで質を高めることができます。
サジェストは目視で確認してもよいですが、ツールで抽出するとより手軽で正確です。以下の記事で詳しく紹介していますので、併せて参考にしてください。
Webライティングの記事の作り方3ステップ
寄稿するメディアによって多少の違いはありますが、Webライティングにおける記事の作り方には、おおよそ決まった流れがあります。特徴的なのは、書き始める前に「構成案」といわれる設計図を作ることです。
以下では、構成案作成も含めた、記事のおおまかな作り方の流れを紹介します。より詳しく知りたい方は、関連記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
1：構成案（見出し）を作成する
構成案とは、記事のアウトライン（骨子）のことです。具体的には、タイトルと見出し、書く見出しの簡単な内容などを記載します。
見出しを決めずに頭から記事を書き始めてしまうと、ユーザーのニーズからズレてしまう可能性が高いです。話がぶれてしまわないように、構成を作成して軸を決めておきます。
2：導入文や本文、まとめを書く
作成した構成案を基に、記事を執筆します。Webライティングの記事は、おおまかに型が決まっており、おおよそ以下のような作りになっています。
- 導入文：ページに訪れたユーザーの興味を惹き、読み進めてもらうための部分。
- 本文：記事の中心となる内容の部分。
- まとめ：記事の内容をまとめたり、商品・サービスに誘導するための部分。
それぞれの部分ごとに、目的を意識して書くことが重要です。具体的な記事の書き方については、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
3：表記・ファクトチェックをする
文章を書き切ったら終わりではなく、表記やファクト（事実）をチェックする必要があります。この工程は、「推敲」と呼ばれます。
Webライティングの記事は、多くの場合、企業のメディアに掲載されます。内容に誤りがあれば、企業にクレームが入り迷惑をかけてしまうことになるでしょう。
もし、クレームなどが入れば、間接的にWebライター本人の信用問題にも関わります。継続して案件を受けたいのであれば、推敲は必須です。
Webライティングで評価される記事の特徴
最後に、Webライティングで評価される記事の特徴をまとめます。これらの特徴は、私が実際に記事を書いたり、ディレクターとして企業様からFBをもらったりするなかで実感しているものです。
これらの特徴を反映した記事であれば、クライアントに喜んでもらえる可能性が高いです。ぜひ参考にして、普段のライティング業務に取り入れてみてください。
正しく端的に書かれている
Webライティングの記事では、正しい日本語であることはもちろん、端的な文章であることも好まれます。なぜなら、検索するユーザーは、文章を味わいたいのではなく情報を知りたいからです。
たとえば、小説では情緒たっぷりで、婉曲的な表現の文章も好まれるでしょう。しかし、Webの記事では、なかなか答えにたどり着けないと、ユーザーは別のページを探しに離脱してしまいます。
ユーザーが検索の答えをすぐに見つけられるように、正しい日本語かつ端的な表現を心がけましょう。
ユーザー目線に立っている
初心者にありがちなのが、クライアントの要望を意識するあまり、ユーザー視点が欠けてしまうことです。
もちろん、クライアントの商品やサービスは誘導することは大事ですが、あからさまに推してしまうと、ユーザーは不自然に感じて離脱してしまいます。
あくまでユーザー目線で、役に立つ記事を書くことが重要です。そのうえで、自然な流れでクライアントの商品やサービスを紹介するようにしましょう。
SEOを考慮している
検索エンジンの仕組みや特徴を考えて、検索結果で上位表示するために施策を打つことを「SEO（検索エンジン最適化）対策」といいます。
Webライティングで書く記事は、Webマーケティング手法の一環であり、集客することが1つの大きな目的です。SEOを考慮して検索上位を獲得することで、記事の露出が増えて集客につながります。
Webライティングを仕事にするのであれば、SEOの基礎知識程度は押さえておきましょう。SEOの基礎知識については以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
エビデンスが担保されている
Webライティングの記事は不特定多数の人の目に触れることが前提となっているため、内容の正確性が重視されます。
内容が正しいことを担保するのが、エビデンス（証拠）です。情報元として誰もが納得できるものが、エビデンスとなり得ます。
- 公的機関のWebサイト
- 学術論文
- 該当サービスの公式サイト
これらの情報であれば、エビデンスとして使用しても問題ありません。個人ブログなどの情報は誤っている可能性があるので避けましょう。
CVに貢献している
CV（=コンバージョン）とは、記事の目的が果たされることを指します。一般的には、商品が購入されたり、サービスの契約にいたったりすることと捉えてよいでしょう。
Webライティングの記事の目的は集客ですが、集客するのは商品を買ってもらったり、サービスを契約してもらったりするためです。その部分に貢献する記事は、高く評価されます。
CV先を意識した構成の組み立てや、ユーザーの心情を読んだ言葉選びを意識してみてください。
Webライティングの知識をつけて記事を書こう！
Webライティングで求められる記事は、一般的な紙媒体の記事とは大きく異なります。したがって、文章を書き慣れた方も、Webライティングの特徴を把握することが重要になるでしょう。
また、Webライティングは、Webマーケティング手法の1つだということも忘れてはいけません。記事を発注するクライアントには、集客をしたり、商品を販促したりという目的があります。
その辺りを考慮して書けると、評価の高い記事を作れるでしょう。質の高い記事の具体的な書き方については、以下の記事を参考にしてください。