今野 直倫 
SEO対策をするなかで、ドメインパワーという言葉を耳にします。しかし、「ドメインパワーとは何か」「対策や調べ方はあるのか」など疑問も多いですよね。
ドメインパワーとは、ドメインが検索エンジンにどれだけ評価されているかの指標と言われています。ドメインパワーを上げることはSEO対策にもつながるので、重要です。
この記事では、SEOにおけるドメインパワーの重要性やメリット、調べ方などを解説します。
この記事を読んで、SEOにおけるドメインパワーについての理解を深め、SEO対策にも活かしていきましょう。
SEOにおけるドメインパワーとは？
ドメインパワーとは、検索エンジンからどれだけ信頼され、評価されているのかをわかりやすく数値化したものです。ドメインパワーが高いWebサイトは、信頼も高く、投稿した記事も検索結果で上位に表示されやすくなります。
ドメインパワーは、Googleが公式に発表しているものではなく、「Moz」「Ahrefs」といったSEO会社が独自に定めている数値を総称したものです。Mozのドメインオーソリティ（DA）やAhrefsのドメインレーティング（DR）などが挙げられます。こういった数値がが使用される前は、GoogleのPage Rank（PR）が、ドメインパワーの代替指標とされていました。
Googleなどでは、被リンクの数や質、更新頻度や投稿されているコンテンツの質などの要素から、コンテンツページやWebサイト全体を評価しています。（注1）
ドメインパワーはそういったさまざまな要素からWebサイトの持つ信頼性を数値化しているので、ぜひ参考にして、SEO対策に活かしましょう。
ドメインオーソリティとは？
ドメインオーソリティとは、Mozが独自に開発した検索エンジンからの評価を数値化した指標です。
Domain Authority（DA）というスコアでWebサイトの持つ信頼性や評価がわかるので、ドメインパワーを示す指標として利用されます。
MozでDomain Authority（DA）は、以下のように定義されてます。
Domain Authority is calculated by evaluating multiple factors, including linking root domains and the number of total links, into a single DA score.
Moz
（ドメインオーソリティは、リンクされたルートドメインやリンクの総数などの様々な要素によって算出される数値で、1つのDAスコアに落とし込んだものです。）
ドメインスコアとは？
ドメインスコアとは、マイクロソフトが提供する検索エンジン「Bing」で対象のWebサイトのドメインがどの程度信頼されているか5段階で数値化したものです。
Bing Webmaster Centerで確認することができます。ドメインスコアの算出方法は、非公開です。
SEOでドメインパワーを上げる重要性やメリット
ドメインパワーを上げることで、検索エンジンからの信頼や評価が高くなり、投稿した記事も検索上位に表示されやすくなるので重要と言えます。
具体的には、ドメインパワーを上げることで以下のようなメリットがあります。
- 安定的に検索上位に表示されやすくなる
- 検索エンジンにすぐにインデックスされやすくなる
それぞれ詳しく確認していきましょう。
ドメインパワーを上げる重要性
SEO対策をするうえで、ドメインパワーを上げるのはとても重要と言えます。
Webサイトのドメインパワーの強弱によって検索順位が大きく変化するためです。しかし、実際に検索してみると、ドメインパワーが弱いサイトでも検索上位に表示されることもあります。
そのため、ドメインパワーを上げることを意識するのではなく、あくまでも目安の1つとして考えるのがよいでしょう。コンテンツSEOを意識して記事を作成することが、結果的にドメインパワーを上げる要因になります。
ドメインパワーを上げるメリット
ドメインパワーを上げることで、安定的に検索上位に表示されやすくなります。
ドメインパワーは検索エンジンからの信頼性や評価の高さを表しています。そのため、ドメインパワーが高いWebサイトはGoogleからの信頼も高く、優先的にクローラーが巡回してくれるのです。
その結果、投稿したコンテンツは上位表示に繋がりやすくなるでしょう。
また、ドメインパワーが高いと、優先的にクローラーが巡回してくれるので、インデックス登録されやすくなります。インデックス登録がすぐにおこなわれるということは、すぐに検索結果に反映されるということです。
ドメインパワーが弱いWebサイトでは、記事を投稿しても検索結果に表示されるまで1日以上かかることもあります。
ドメインパワーを調べる方法と平均・目安
ドメインパワーは、MozやahrefsといったSEO会社が提供しているツールで調べることができます。なかには、無料ツールもあるので、ぜひ活用してください。
また、Webサイトが持つドメインパワーの平均や目安などもあわせて解説します。
ドメインパワーを調べる方法
ドメインパワーは以下のSEO会社やツールなどで調べることができます。
| パワーランクチェックツール | 無料でアカウントの登録が不要 |
| Moz | 無料でアカウントの登録が必要 |
| Majestic | 有料（一部無料） |
| ahrefs | 有料 |
今回は、Mozを例にドメインパワーを調べる方法を解説します。
まずは、ログイン画面にて、「Create an account（アカウント登録）」を選択します。
アカウントの作成後、ログインをして、「Moz Bar」と検索し以下のサイトにて「Download MozBar Free」をクリックしてください。
その後、Chromeの拡張機能として導入できたら完了です。
Chromeの右上にある拡張機能のボタンを選択し、MozBar部分をみると、数値が表示されています。この数値がドメインパワーです。
この数値は基本的には、どのWebサイトを訪れても以下のように表示されます。
弊サイトでは、上記のようにDAが16というのがわかります。
このように、ツールを一度導入すれば、どのWebサイトのDAも分析することができるのでぜひ活用しましょう。
ドメインパワーの平均や目安
ドメインパワーの平均や目安として、「上位表示に必要な平均や目安」という観点から調べてみました。
以下は、「SEO ドメインパワー」というキーワードで検索したときの、上位10ページのドメインパワーです。
| 順位 | ドメインパワー |
| 1位 | 48 |
| 2位 | 36 |
| 3位 | 39 |
| 4位 | 42 |
| 5位 | 14 |
| 6位 | 18 |
| 7位 | 35 |
| 8位 | 34 |
| 9位 | 41 |
| 10位 | 31 |
上位表示されている10ページのドメインパワーの平均は、30.8でした。
また、上記の表を見てみると一部を除いて、上位表示されているページはドメインパワーが30以上です。
今回は「SEO ドメインパワー」というキーワードで検索したのですが、キーワードによってはドメインパワーの平均がさらに高いこともあります。あくまでも、キーワード選定の参考として考えるとよいでしょう。
また、ドメインパワー（MozのDA）を上げる際の目安として、弊サイトの経験から、一般的なSEO施策で運用して、10上げるのに1年〜1年半かかる印象でした。
ドメインパワーを上げる方法５つ
ドメインパワーはいくつかの要素から算出されています。そのため、その要素ごとに適切な対応ができれば、ドメインパワーを上げることは可能です。
ドメインパワーを上げる方法は以下の5つが挙げられます。
- 長期視点で運用する
- コンテンツの質を高める
- 記事数を増やす
- 更新頻度を上げる
- 被リンクを獲得する
それぞれ確認していきましょう。
１．長期視点で運用する
Webサイトは基本的に長期視点で運用をしましょう。なぜなら、運用期間が長いWebサイトほど信頼性は高く、ユーザーからの安心感を得ることでドメインパワーが向上するからです。
また、運用期間が長いほど、被リンクの数も増えるのでドメインパワーが上がる要因になります。
２．コンテンツの質を高める
質の高いコンテンツは、ドメインパワーを高めてくれます。質の高いコンテンツとは、ユーザーのニーズに応えることができているコンテンツです。
そのようなコンテンツは、ユーザーの間で共有され、被リンクの獲得につながるだけでなく、検索エンジンからの評価にもつながります。
コンテンツの質には他にもさまざまな要素がありますが、Googleが掲げる「EAT」という概念が理解しやすいでしょう。
EATを高める方法については以下の記事で解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
３．記事数を増やす
記事数を増やすことで、Webサイトのコンテンツが充実するだけでなく、Webサイト自体へのアクセス数や被リンク獲得数の増加につながります。結果として検索エンジンからの評価も高まるでしょう。
とくにWebサイトの立ち上げ初期には記事数を増やすことを意識して、運営するとよいでしょう。
４．更新頻度を上げる
記事数を増やすことと同様に、更新頻度も上げることも重要です。Webサイトの運営が行われていることがわかるので、ユーザーの安心感や信頼感を得られます。
また、常に新しい情報が発信されることになるので、ユーザーにとっては有益です。
有益な情報が記載されているコンテンツは、ユーザー同士で共有される可能性が高く、ドメインパワーが上がる要因にもなるでしょう。
５．質の高い被リンクを獲得する
被リンクとは、外部のWebサイトから受けるリンクのことを指します。ドメインパワーを上げる場合、この被リンクのなかでも質の高い被リンクを獲得することが大切です。
Googleは、外部のWebサイトからの被リンクが多いWebサイトほど、役立つサイトとして評価しています。被リンクを多く獲得しているというのは、それだけ多くのサイトで引用され、信頼されているということにつながるからです。
しかし、リンクプログラムに参加して意図的に被リンクを獲得するなどの方法は、質の低い被リンクとしてペナルティを受けることにつながるので注意してください。（注2）
SEOにおけるドメインパワーでよくある質問
SEOにおけるドメインパワーについて、「ドメイン名を変更したら影響はあるのか」「サブディレクトリやサブドメインのどれを使えば効果的なのか」などの疑問も多いかと思います。
ドメインパワーについてよくある質問をそれぞれ解説していきます。
ドメインパワーを上げる際の注意点は？
ドメインパワーを上げる際には、以下のような行動を避けて、ペナルティを受けないように注意しましょう。
- リンクプログラムに参加して被リンクを意図的に集める
- 低品質なコンテンツばかりを発信する
- 運営歴が長いからという理由だけで中古のドメインを購入する
早くドメインパワーを上げたいからといって上記のような方法を取り入れると、ペナルティを受けることになり、かえって逆効果です。
低品質なコンテンツばかりを発信しても、ユーザーのニーズを満たしていないので、閲覧される機会も少なく、Googleからの評価も得られません。Googleは、低品質なコンテンツへのペナルティを設けているので注意してください。（注3）
また、運用歴の長い中古のドメインは、初めから運用歴という面では信頼が高く、被リンクも獲得しているので評価が高いと言えます。
しかし、なかにはGoogleからペナルティをすでに受けているというドメインもあります。結果的に、ペナルティを受けているドメインを運営することにもなるでしょう。そのため、少しずつ質の高いコンテンツを積み上げて、ドメインパワーを上げていく必要があります。
Webサイトのドメイン名を変更する影響は？
Webサイトのドメイン名を変更した場合、それまで蓄積されていたドメインパワーがなくなってしまいます。
もし、ドメインパワーを意識するのであれば、ドメイン名の変更はあまりおすすめしません。
リダイレクト設定という、既存ドメインのWebサイトに訪問したユーザーに、新しいドメインのWebサイトを誘導する方法もあります。
リダイレクト設定を適切に行うことで、ドメインパワーへの影響を最小限に抑えることが可能です。しかし、適切に行えないと、ドメインパワーを失うことになるので注意しましょう。
サブディレクトリやサブドメインのどれを使えば効果的？
サブディレクトリとサブドメインのどちらを使用しても変わりはありません。どちらもWebサイトのコンテンツ内容を追加する際に使われることが多いです。
メインとなるドメインのWebサイトとの関係や目的などからそれぞれ使い分けるのがおすすめです。
「サブディレクトリ」であれば、メインのドメインを持つWebサイトの下部コンテンツとして「同じドメイン内の同じWebサイト」として運用する場合に活用しましょう。
メインとなるWebサイトと同じテーマであるものの、カテゴリで分けたい場合におすすめです。
「サブドメイン」であれば、メインのドメインを持つWebサイトとは「同じドメイン内の別のWebサイト」として運用する場合に活用しましょう。
メインのWebサイトと関連性はあるが、別のテーマとしてWebサイトを運営する場合におすすめです。
しかし、サブドメインの場合、ドメインパワーが低い状態から運用を開始することになります。ドメインパワーという観点では注意が必要です。
基本的なSEO対策でドメインパワーを上げることができる！
ドメインパワーとは、Webサイトのドメインが検索エンジンにどれだけ評価されているかの指標でした。
また、ドメインパワーは以下の5つの方法で上げることができます。
- 長期視点で運用する
- コンテンツの質を高める
- 記事数を増やす
- 更新頻度を上げる
- 被リンクを獲得する
上記の方法でドメインパワーを上げることはSEO対策にもつながるので、ぜひ理解しておきましょう。
ドメインパワーはツールを使うことで、比較的簡単に調べたり、対策をとったりすることができます。
ぜひ、ツールを活用して、Webサイトのドメインパワーを改善していきましょう。
出典：
注1：SEO スターター ガイド: 基本 | Google 検索セントラル | Google Developers